借りること

 貸すのも少しいいかもと思ってきたけれどそれにはもう一つ理由がある。貸してもらうことが嬉しいと感じるようになったからだ。

 私は自分がほしいと思ったものだけを自分で手に入れることが一番楽しいんじゃないかと思ってた。でも親しい人が「これ自分も好きなんだけど君が好きそうだと思って。」と言いながらお勧めの本やCDを貸してくれたときすごく嬉しかった。私のことを考えてその本やCDを好きそうだと思ってくれてるのは私のことをよくわかってくれてるからだろうし、親しい人が好きなものを貸してくれたってのも嬉しくなる。その人を構成する一部を借りたような気持ち。相手はそこまで思ってないだろうけれど。

 お互いに自分を構成してる一部を貸し借りすると距離が縮まったような気分になる。少なくとも私は親しい人にしかそんなことしないけど。ただ最近、お互いに貸し借りをし過ぎて好みが似てきてしまったのは困りものかもしれない。「えっ、そのCD私も買ったわ。」「それ言ってくれれば俺の貸せたのに。」が多発してる。でも全部を知り尽くしてるわけではないからまだまだ貸し借りしていこうねって話で纏まった。