この時期に思い出すこと

 7月24日。毎年この時期に思い出すことがある。福岡県のローカルニュースに度々登場する玉竜旗。もうあれから5年も経ってるのかと思うと妙に感慨深いし歳を取ったような気分になる。

 小学生の頃から剣道をしていたけれど私は性格のせいもあっていつまでもへっぽこだった。全然勝てないの。稽古では褒められるところ多かったのに実戦になると上手くいかない。先生方からの何度も「お前の試合は日頃の姿見てるから余計に歯痒い。」と言われた。

 玉竜旗というのは福岡県で毎年開催される剣道の大会だ。この大会は一応西日本からの参加者が多いけれど年々参加校が増えていて今は全国区から多くの高校生が参加している。そんな大会に毎年出ていたけれど勝てない試合ほど楽しくなくて高3最後の試合前もやる気が出ず、稽古も雑になっていった。

 そんな時期にとても尊敬している先生から「この玉竜旗はね、頑張ってる子に最後にご褒美をくれる大会なんだよ。お前も最後までやんなさい。」と言われた。大好きで尊敬してる先生からそんなこと言われたらやるしかねーじゃんとなるくらいに単純な私は相手を殺す気で稽古に打ち込んだ。

 結果は団体では負けたけれど私だけ相手から一本を取るというある意味一人勝ちだった。人生最後の試合はちゃっかりと勝って、剣道を辞めてしまった。勝ち逃げっぽい。

 激励会だとかいう後輩をダシにして当時の部活の仲間と会うような行事には卒業以来参加していない。相変わらず私の母校は校風のせいもあってなのかあまり強くない。私みたく卑屈になる子もいるだろうなぁ。「最後にはご褒美もらえる試合だから頑張ってね。」と言いたいけれど後輩たちに圧をかけるような人間にはなりたくない。でも心の中で君たちを応援してるような人もいるんだよと呟きたくなった。