読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

刷り込み

 人は五感に訴えるものだと記憶に残りやすいとか誰かが言ってるのを聞いた。たぶんそうなんだろうと思う。

 例えば匂いだ。私はシャンプー、トリートメントなどなどの髪につけるものを高校生のころから一貫して変えていない。他のを使うことがあったとしてもすぐに同じものに戻している。これをすることで相手は私=その匂いとなるようで、覚えてもらえてることが多い。だから元恋人に会ったときも匂いはすぐ気づいてもらえた。これはまぁ私の作戦であって、匂いを刷り込むことで他の場面でも思いだせよ?という暗示が込められてる。

 刷り込みで言うなら五感に訴えずとも日常生活に頻繁に出てくるものを選べば相手の近くに居ずとも気配を感じさせることくらいはできるだろうなぁと思った。だからお茶の話、気候、歌、番組、花、星座、月、大学のことを元恋人と話し、相手にたくさんのことを吹き込んだ。これは結構効果があったみたいでことあるごとにそれをきっかけに連絡をもらうことができた。 

 刷り込みのいいところは自分が相手に刷り込むことで手一杯になるから相手に私の中に刷り込む余地を与えなくて済む点だと思う。思い出なんて残りすぎるのはよくない。いつそれが消えるかわからないから増やし続けるのがこの上ないくらい恐ろしい。

 元恋人と交流を再開してから私は刷り込みに徹していた。してたはずなのにBUMPのG-SHOCK、自分の香水の匂い、服装、ふとしたときの自分の言い回し、言葉遣い…まさかこんな短期間でいろいろ塗り替えられるとは思ってなかった。言葉遣いだとか言い回し、数回しか会ってないのにすぐ影響受けちゃうし、お気に入りの時計たちも見るとしんどさがある。香水なんてなぁ…まさか彼が好きだったハンドクリームと同じ匂いだなんて信じられない。服装も自分が好きなものを着てたと思うんだけど、どこかで意識してたんだろう。「こーゆー服好き」って言われたのもたぶんずっと服は意識して買ってたんだよ。あーー…自分から逃げているくせに情けない。結局最初から塗りつぶされてたのは私じゃん。刷り込みもしてたけどそれ以上に私も刷り込んで塗りつぶされてたって急に気づいた。というか、最初から勝手に自分で吸収してたんだろうなぁ。